よくある質問

2000年以上前の中国に起源をもつ鍼治療は、現在では世界中で最も広く普及している最古の医学療法の一つです。

米国で鍼治療が広く知られるようになったのは、1971年にニューヨークタイムズの記者、ジェイムズ・レストンが、中国では医者が、手術後の 痛みをやわらげるために鍼を使っているという記事を書いたことがきっかけでした。アメリカにおける鍼治療が、中国、日本、韓国や他のアジアの国々などの伝統医療を組み入れる形で確立されていったのです。

鍼治療をお考えの場合は、親身になって治療してくれる鍼灸師をお選びください。また、お持ちの保険が鍼治療に適用されるかどうかもご確認下さい。

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鍼治療は、アジア諸地域で5世紀以上にわたって行われてきた中国の治療法です。極細の鍼を身体表面のツボに刺すことで生理機能を活性化します。鍼を挿入し刺激を加えることで、身体が本来持っている治癒能力を回復し、維持するのです。

鍼治療は、全ての生き物には「気」と呼ばれる生命エネルギーが宿っているという中国古来の理論に基づいています。このエネルギーは、「経絡」と呼ばれる「気」の通り道に沿って、身体中を巡っていると言われています。健康な身体の中では、「気」が、経絡に沿ってスムーズに流れているのです。この「気」の流れに乱れが生じた時、身体のバランスが崩れ病気にかかってしまうことがあるのです。

鍼治療のツボとは、経絡が皮膚の表面近くを通り、鍼が届きやすい浅い場所を流れている場所に位置しているとされています。

 TCM式鍼灸…Traditional Chinese Medicineの略で、北米で最も広く教授されている鍼治療の様式です。緻密な分析に基づき、体系的にまとまった鍼灸の様式で、多くの伝統様式をもとに1950年代の中華人民共和国で確立されました。

 KM式鍼灸…世界的に著名な日本人鍼灸師、松本岐子(まつもと・きいこ)氏が、30年の年月をかけて確立した様式です。この様式は、氏が日本屈指の鍼灸師と共に経験した臨床経験に基づいています。KM 式鍼灸では、体系化された触診の技法を用い、そのフィードバックから患者の健康状態を即座に見極めることが出来ます。

APM式鍼灸…。トライステート・カレッジ・オブ・アキュパンクチャーの創始者であるマーク・シーム博士により確立された、鍼灸の現代的な解釈です。中国、フランス、日本の中世の鍼灸療法を基盤に、ジャネット・トラベル医師が確立した「ドライニードリング」の様式も取り入れています。この様式では、筋膜の収縮パターンの触診に重点を置いて診断します。

 鍼の治療が具体的にどのように体に作用するのかは、100%わかっていません。しかし研究が進むにつれ、鍼治療で用いられる鍼針を刺すという行為やその他の技術が、人間の身体や脳に様々な効能をもたらしているらしいことがわかってきました。 

 ある説では、神経線維を刺激すると、その刺激の信号が脊髄を通って脳にまで届き、神経システムの中枢を活性化するといわれています。すると、脊髄と脳は、痛みを感じにくくし、全身の健康状態をも改善するホルモンを放出します。実際に、脳波を撮影した研究では、鍼には痛みに対するしきい値を上げる効果があることが確認されており、これが、鍼治療が長期間にわたり鎮痛効果をもたらす理由なのではないかと言われています。

 また鍼治療は、血流をよくし、体温を上げ、白血球の働きを活性化することで免疫力が上がる効果をもたらす一方、コレステロール値や中性脂肪値を下げ、血糖値をコントロールしてくれるらしいということもわかってきました。

鍼治療によるリスクは、皆さんがきちんとした資格を持つ鍼灸師を選び、殺菌された鍼針を用いた施術を受けられる限り、大変低いものです。一般的な副作用としては、鍼針を刺した部分の軽い痛み、少量の出血、内出血や腫れなどが挙げられます。現在では、施術には使い捨ての鍼針の使用が基本になっているので、感染のリスクは最小限に抑えられます。ただし、鍼治療が全ての方に適しているわけではなく、以下の症状をお持ちの方が施術を受けられる場合には特に注意が必要です。

 

  • 出血障害のある方:鍼を刺した際の出血や内出血のリスクが高まります。また、血液希釈剤を服用されている方も同様です。
  • ペースメーカーを装着されている方:鍼治療では、鍼を通して微弱な電気刺激を患部に加える場合があり、この電流がペースメーカーの働きを妨げる場合があります。
  • 妊娠中の方:鍼治療の中には、陣痛を促進する施術法があると考えられており、早産のリスクが高まる場合があります。

「Mei Zen」とは、中国語で「美人」という意味です。Mei Zen美容鍼灸は、伝統中医学をもとにした美容鍼灸のプロトコルで、加齢により肌に現れる症状を改善し、肌を若返らせるために開発されました。

この美容鍼灸は、美容整形手術やレーザー治療などの外科的美容手術とは異なり、自然治癒力重視の安全な「非外科的施術」です。

この施術には十の治療ステップがあり、週に二回の施術を5週間行うと最善の効果が期待できます。

( 鍼治療や伝統中医学で治療出来る症状を全て挙げることは出来ませんが、鍼治療は以下のような症状に有効だと考えられます。)

 

筋骨格系、神経性の症状

  • 関節炎
  • 神経痛
  • 座骨神経痛
  • 腰痛
  • 髄液包炎
  • 腱炎
  • 首のこわばり
  • 顔面神経痛
  • 三叉神経痛性チック
  • 頭痛、偏頭痛
  • 脳卒中の後遺症
  • 脳性麻痺
  • 捻挫
  • 筋肉痙攣
  • 帯状疱疹

耳鼻咽喉科系の症状

  • 副鼻腔炎(蓄膿)
  • 喉の痛み
  • 花粉症
  • 耳の痛み
  • 神経性難聴
  • 耳鳴り
  • めまい
  • 弱視

消化器系の症状

  • 過敏性大腸症候群
  • 結腸痙攣
  • 大腸炎
  • 便秘
  • 下痢
  • 食物アレルギー
  • 潰瘍
  • 胃炎
  • 腹部膨満

婦人科系、泌尿器系の症状

  • 月経前症候群(PMS)
  • 月経不順、月経過多、月経痛(月経困難症)
  • 子宮内膜症
  • 更年期障害
  • 子宮筋腫
  • 慢性膀胱炎
  • 妊娠合併症
  • つわり
  • インポテンツ
  • 男性、女性の不妊症
  • 性機能障害

中毒症

  • タバコ
  • 薬物
  • アルコール

情緒障害、精神疾患

  • 不安症
  • 不眠症
  • うつ病
  • ストレス

呼吸器系疾患

  • 喘息
  • 肺気腫
  • 気管支炎
  • 風邪、インフルエンザ

その他

  • 化学療法、放射線療法の副作用
  • 糖尿病
  • 皮膚科疾患
  • 免疫不全
  • 体重管理

 初診の際に、施術者は問診票の内容を確認し、患者様の健康状態やライフスタイル、生活習慣について、時間をかけてていねいに質問します。そして、個々の患者様の治療へのご希望や、患者様の症状の原因になっている生活習慣の全容を把握しようとします。この時、治療中の病気や服用中の薬など、その時の健康状態の詳細を伝えるようにして下さい。施術者は脈拍を計ったり、舌の色を見たり、鍼灸のツボや経絡、患部を触診したりして症状を診断します。

 一般的な施術は、一回につき45分から一時間程度です。初診はもう少し長くかかります。

 鍼治療は、加速度的に効果が現れるものです。さらに人によって効果の出かたが違います。また、ご来院いただく回数も、個々の患者様の体質や状態によって異なります。人によって、大変早く効果の現れる場合もあれば、効果が出るまでに少し時間のかかる方もいらっしゃいます。一般的に、急性疾患に対しては早く効果が現れる場合が多く、3~5週間程度の治療期間が見込まれます。対して慢性疾患への効果が出るまでには、もう少し長い期間の治療が必要になる場合が多いです。
 症状が治まった後には、二週間に一度から月に一度程度でのフォローアップ検診をおすすめしています。